2014年3月アーカイブ

どんな法律相談にも言える事ですが司法書士に相談をする時には、どれだけ親身になって対応をしてくれるのかを重視しないといけません。しかし、それに加えて、費用も事務所選びの重要なポイントです。

従来、司法書士の登記手続きの報酬は、司法書士会の定める報酬規定に定められており、どこの事務所に依頼しても、同じでした。しかし、平成14年12月31日に、「司法書士報酬額基準」は廃止され、司法書士の報酬は自由化されました。それ以降は、各事務所は自由に報酬を設定しています。

しかし、だからといって、事務所ごとに全くバラバラということはなく、ある程度は基準があります。
一般的に言うと、相続登記を行う不動産の価格が高い場合や、不動産の筆数が多い場合には、報酬が高くなります。不動産の価格が高いと、司法書士の負う責任も重くなるため、報酬が高いのです。また、不動産の筆数が多いときに報酬が加算されるのは、以前の司法書士報酬基準の名残です。以前の司法書士報酬基準には、「筆数加算」というものが定められており、対象不動産が1筆増えるごとに、約1000円報酬が加算されることになっていました。

戸籍の通数によっても、費用は変わります。おいやめいが相続人となる場合などには、被相続人の出生から死亡までの戸籍に加え、兄弟についても出生から死亡までの戸籍も必要となり、たくさんの戸籍が必要となります。このような場合にも、実費や取得手数料など、費用が高くなる可能性がりあります。

このように、ある程度の基準はあるものの、わかりにくい司法書士の報酬について、司法書士会連合会がおこなったアンケートがあります。これによると、相続を原因とする土地1筆・建物1個(固定資産評価額の合計1000万円)の所有権移転登記を司法書士が受任、戸籍を5通取得、相続関係図、遺産分割協議書を作成した場合の報酬は、近畿地区で67000円程度となっています。

もちろん、不動産が自宅以外に収益マンションがある場合など、複数ある場合には、報酬はその件数分かかるのが原則です。まとめて手続きすることで、多少は安くなる場合もあるでしょう。

最近では、費用を定額とする事務所もあります。無料で見積もりをしてくれる事務所も多いので、比較して選ぶことも可能です。

不動産を所有する者が亡くなった時には、相続登記が必要となる場合があります。
個人でも行うことは可能ですが、手間がかかることはもちろん、物件がどのような形態で所有されているのかや、諸権利、及び相続人同士でのイザコザなどで、ややこしくなることも稀ではありません。

従って、相続登記は司法書士や弁護士に任せて手続きを済ませるのが一般的でしょう。
法の専門家に手続きしてもらうと、通常、一週間~二週間程度で登記が完了する運びとなります。
費用については、多ければ20万円くらいかかることもありますが、これは所有していた不動産の評価額によって左右されるので、ケースバイケースです。

なお、相続登記には、必要書類を揃えなくてはなりませんが、これもお願いすれば司法書士や弁護士が代行してくれるようです。
いつまでにしなければならないというものではないため、長年手を付けずにいる人も中にはいるみたいですが、放っておくと煩雑化し易いので、早めに専門家に依頼しておいた方が良いでしょう。