2014年5月アーカイブ

身内が亡くなると、とても悲しいのと同時に、とても忙しいものです。それは、お通夜やお葬式をしなければならないということもありますが、その亡くなった人が保有していた財産の清算も行わなければいけないからです。
故人の遺産ですが、小さなものなら自由にもらったり捨てたりすることができますが、自動車や不動産(土地や住宅、マンションなど)については登録制度があります。このような登録制度のある財産については、名義変更の申請を行って、誰が相続して引き継いだのかをはっきりしておく必要があります。
不動産について、法務局で所有者の登録名義を変更する手続きを、一般に「相続登記」といいます。
不動産登記の手続きは手間と時間がかかり大変ですので、専門家に代行してもらうという方法もあります。不動産登記手続きの専門家といえば司法書士です(行政書士や税理士は、登記手続きの代理はできません)。相続登記の申請を、司法書士に頼んで代わりに行ってもらうという方法があります。
司法書士に依頼したならば、自分で用意する書類は印鑑証明書ぐらいで、手続きに必要な書類はほとんど司法書士が取得・作成してくれます。相続登記の手続きには非常に多くの書類が必要となりますが、とりわけ手間がかかるのが、戸籍の取得です。戸籍は、故人の出生から死亡までの一連のものをすべて取り寄せる必要があります。また、登記簿上の住所と被相続人の最後の住所の沿革を証明する住民票や戸籍の附票も必要となります。
これらの戸籍や住民票などに加え、遺産分割協議書の作成や、書類の還付のための相続関係図の作成、もちろん登記申請書の作成も、司法書士が代行してくれます。
相続登記は、登録免許税や上記の司法書士の報酬等各種の費用がかかるため、後回しにしてしまう方も多いのですが、なるべく早めに名義変更を行うほうが賢明です。なぜ名義変更をしておかなければならないかと言いますと、亡くなった人の名義のままで放置すると、将来その土地や建物を売ったりするような事が出てきた時に、相続人が認知症などで判断能力が低下していると、成年後見人を選任しなければ遺産分割協議ができなくなったり、行方不明の相続人がいた場合に不在者の財産管理人を選任しなければいけなかったり、各種の困難が発生する可能性があるからです。遺産分割協議は、一部の相続人を除外して行っても無効であるからです。
そういった観点から、相続登記はできるときにやってしまったほうが賢明なのです。遺産分割協議がすんなりと整うようであれば、すぐに登記にかかりましょう。

不動産を相続することになったら、早めに相続登記を行っておきましょう。
放っておくと思わぬトラブルに発展する恐れがあります。
ただ、相続登記には様々な添付書類が必要となり、その書類も相続から何年もたっていれば手に入れるのが難しいこともあるはずです。公的な書類の中には、保存期間が短いものもあります。たとえば、除籍謄本などは、除かれてから150年間保存されますが、住民票や戸籍の附票などは、5年間しか保存されません。
※コンピュータ化により改製された原戸籍の附票については、保存期間を10年間としている役所も多いようです。
そんな時こそ専門家に相談して、必要な書類をすべてそろえてもらい相続登記を行ってもらいましょう。
相続登記していないと不動産を売却することはできませんし、登記簿や権利証に自分の名前が入っていないのですから、その不動産が自分のものだという証明もしづらいのではないでしょうか?
登記手続きには時間もかかりますが、それでも行っておく方が良いと専門家も言っています。
面倒だからと思って放っておくと、いつの間にか相続人の一人が法定相続分で登記をして、その持分は売却され、他人と不動産を共有する状態になっていた、なんてケースもありますので注意してください。このような状態になると、その他人は、「共有物分割」を他の共有者に請求することができます。最終的には、不動産全体が競売にかけられてしまう、などということもありえます。
また、相続人にさらに相続が発生した場合など、相続人の数が増えていくことになりますので、話し合いが難しくなることも考えられます。相続人の一人が認知症になってしまった場合などは、その相続人に後見人を選任しなければ、遺産分割協議自体ができなくなるということになります。
全国各地に専門家がいますが、登記に関する実績が豊富な専門家を選んで利用しましょう。手間がかかることですが、それでも迅速に行動しなるべく早く変更が完了するように動いてくれる専門家に相談することが大切です。
相談先としては、遺産分割協議が整っているのであれば司法書士、遺産分割に関して相続人間で争いがあるのであれば、弁護士に相談するのがよいでしょう。

親族が亡くなって、悲しみに暮れていられるのもつかの間、その後にはやることがどんどんと押し寄せてきます。
不動産の相続登記もその中の一つです。
相続登記と聞くと、難しそう、素人では無理、といったネガティブな考えが浮かんでしまいがちですよね。
しかしただそれだけの理由で専門家に丸投げしてしまうのはもったいないですよ。
実は不動産の相続登記は自分でできてしまうのです。
もちろん少しの手間はかかってしまいますが、それほど難しい手続きではありません。
それにこの手続きは、特定の資格を持つ人しかできないというものではありませんし、当事者本人なら、どんな人でも申請手続きできてしまうのです。
特に、平日昼間に法務局に5回程度、市区町村役場に2から3回程度行くことができるという人、多少の専門用語を自分で調べることが苦にならない、という人にとっては、自分でやってみる価値はある行為です。
やり方を解説しているサイトもありますし、自分でやれば専門家への相談費用も節約できますから、やってみよう!という気合いのある人は、是非挑戦してみてはいかがでしょうか?