故人から不動産物件を相続した場合、自ずと相続登記手続きが必要になります。
将来的にその不動産物件を売却、譲渡する予定があったとしても、まずは法務局で、相続を原因とする、被相続人から相続人への所有権移転登記を行わなければいけません。
亡くなられた故人の名義のままでは、原則として売却活動にも支障が出る恐れが高くなりますので、不動産会社からも媒介契約時には、「相続登記を進めてください」と言われるはずです。
遺産分割協議がまとまっていないというような事情がないのであれば、相続登記は出来る限り早めに済ませておきましょう。いささか他の相続手続きに比べて面倒な点が目立ちますが、司法書士事務所のサポートを借りれば大丈夫です。戸籍集めや必要な遺産分割協議書、委任状などはすべて司法書士が作成し、押印箇所もわかるようなかたちでご自宅に郵送されてくるでしょう。あとはご実印で押印し、署名して返信するだけで、1~2週間で「登記識別情報通知」が送られてくるはずです。登記識別情報というのは、従来の登記済権利証書です。不動産登記法の改正により、形式が変わったものです。
司法書士に依頼すると手続き費用がかかるから、じぶんで手続きして費用を節約したいという方もおられるでしょう。しかし、不動産登記の手続きは複雑で、どうしても法律的な知識が必要となります。また、たくさんの添付書類が求められます。正直なところ、普通の会社員や主婦ではキツイ面があります。
不動産の所有権移転手続きを失敗すると、後々税金や法的な問題に発展しかねません。司法書士は税金の問題の専門家ではありませんが、不動産にかかわる税金、たとえば不動産取得税や相続税、贈与税などについての基本的な知識は有していますので、依頼時には、質問することも可能となります。
少し手間と料金が掛かりますが、素直にプロにお任せした方が良いでしょう。今では相続全般に関する相談に快く応じてくれる事務所が存在します。
ネット検索すれば無料相談を行っている、身近な事務所が簡単に探せます。また、各地の司法書士会のホームページで探すという方法もあります。司法書士は、司法書士会に入会しなければ業務を行うことができないこととされています。「強制入会」という制度があるためです。ただし、司法書士会でホームページを有しているのは少数です。お近くの司法書士会のホームページが見つからない場合には、司法書士会連合会(通称日司連)のホームページから、全国の司法書士を検索することができますので、こちらで探してもよいでしょう。
2014年6月アーカイブ
不動産登記には、ほとんどの場合、「登記原因証明情報」という書類が添付書類となります。登記をするためには必ずその原因が存在するので、これを登記官が審査するために必要な情報として、求められる書類ということになります。たとえば、抵当権設定登記であれば、抵当権設定契約書が登記原因を証明する情報を証明する書類となりますので、これを登記原因証明情報として添付することとなり、抵当権抹消登記であれば、抵当権者が抵当権を解除することを許可する解除証書等が登記原因証明情報となります。
また、所有権移転登記の場合には、通常、「報告形式」と言われる登記原因証明情報が利用されることもあります。これは、売買契約書とは別に、登記原因証明情報というタイトルで、登記原因が発生したという事実を記載した報告証書を作成し、これに当事者が署名押印するというものです。
そして、相続登記の場合、報告形式の登記原因証明情報は、登記義務者である被相続人がなくなっているため、作成することはできません。そこで、戸籍や遺産分割協議書などが登記原因証明情報となります。たとえば、法定相続人が法定相続分の割合通りに相続する場合の相続登記の登記原因証明情報としては、被相続人の住民票の除票、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、法定相続人の現在の戸籍謄本が登記原因証明情報となります。遺産分割協議が行われた場合には、上記に、遺産分割協議書と印鑑証明書が加わります。
相続登記の必要書類について詳しくはこちら→http://www.souzoku-sp.jp/souzoku-touki/tenpu-syorui01.html
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を添付するのは、被相続人の相続人をすべて確定するためです。最新の戸籍だけでは、婚姻などで除籍された相続人は確認できませんし、若いころに、奥さんや子供たちもその存在を知らない隠し子がいるということもあります。遺産分割協議は、一部の相続人を除外してなされた場合は無効となりますので、すべての相続人を確定するためには、出生まで被相続人の戸籍を遡り、全相続人を確定する必要があります。そのために、戸籍を遡って行くのです。
遺言で相続人以外の第三者に遺贈する場合には、遺言書と、遺言者の死亡の事実のわかる戸籍(除籍)謄本が登記原因証明情報となります。以前は、登記義務者の相続人全員が、遺贈の事実を認めて実印で押印し、登記官に報告するという、いわゆる「報告形式の登記原因証明情報」が有効とされていたのですが、現在では、この「報告形式の登記原因証明情報」は、遺贈を原因とする所有権移転登記の登記原因証明情報としては、不適格であるとされています(登記研究736号173頁)。遺言は要式行為であるから、その意思の有無のみならず、遺贈の様式まで立証する必要があるから、遺言書そのものを提出する必要があるためと思われます。
また、所有権移転登記の場合には、通常、「報告形式」と言われる登記原因証明情報が利用されることもあります。これは、売買契約書とは別に、登記原因証明情報というタイトルで、登記原因が発生したという事実を記載した報告証書を作成し、これに当事者が署名押印するというものです。
そして、相続登記の場合、報告形式の登記原因証明情報は、登記義務者である被相続人がなくなっているため、作成することはできません。そこで、戸籍や遺産分割協議書などが登記原因証明情報となります。たとえば、法定相続人が法定相続分の割合通りに相続する場合の相続登記の登記原因証明情報としては、被相続人の住民票の除票、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、法定相続人の現在の戸籍謄本が登記原因証明情報となります。遺産分割協議が行われた場合には、上記に、遺産分割協議書と印鑑証明書が加わります。
相続登記の必要書類について詳しくはこちら→http://www.souzoku-sp.jp/souzoku-touki/tenpu-syorui01.html
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を添付するのは、被相続人の相続人をすべて確定するためです。最新の戸籍だけでは、婚姻などで除籍された相続人は確認できませんし、若いころに、奥さんや子供たちもその存在を知らない隠し子がいるということもあります。遺産分割協議は、一部の相続人を除外してなされた場合は無効となりますので、すべての相続人を確定するためには、出生まで被相続人の戸籍を遡り、全相続人を確定する必要があります。そのために、戸籍を遡って行くのです。
遺言で相続人以外の第三者に遺贈する場合には、遺言書と、遺言者の死亡の事実のわかる戸籍(除籍)謄本が登記原因証明情報となります。以前は、登記義務者の相続人全員が、遺贈の事実を認めて実印で押印し、登記官に報告するという、いわゆる「報告形式の登記原因証明情報」が有効とされていたのですが、現在では、この「報告形式の登記原因証明情報」は、遺贈を原因とする所有権移転登記の登記原因証明情報としては、不適格であるとされています(登記研究736号173頁)。遺言は要式行為であるから、その意思の有無のみならず、遺贈の様式まで立証する必要があるから、遺言書そのものを提出する必要があるためと思われます。